ここまできた食料危機

食料危機が叫ばれている。原油価格の高騰と、バイオ燃料推進による農地の縮小、森林伐採、気候変動、そして新興国の経済成長によるエネルギー需要の増大、食料輸出国による輸出制限――。18世紀、マルサスという経済学者は、著書『人口論』のなかで、人口は幾何級数的に増加するが、生活に必要な物資は算術級数的にしか増加しないため、貧困や飢餓、戦争は避けられないと説いたが、まさにそういう状況がきているのだ。だけど、正直、これまでそういう危機は実感していなかった。スーパーに行って買い物をするわけではないし、出費のほとんどを占める本やCDはいまのところ値上がりしていないから。だけど、今日ようやく、これはやばい状況だと実感した。近江町市場の隅っこに小さな(ほんとに小さな)大判焼き屋があるんだけど、そこが1個70円から80円に値上げしていたのだ。僕は小学校の低学年から水泳を習っていたんだけど、その帰り道、ここで大判焼きを買っていた。高校生になっても、大学生になっても、思い出しては買っていたし、社会人になって職場が近くになってからは、意識的に買うようにしていた。だからもう25年くらい買い続けていることになるわけだけど、これまで値上げした記憶はない。いや、25年前にいくらだったか覚えてないんだけど、40円や50円じゃなかったと思うから、25年間で10円くらいは値上げしていたかもしれない。だけど、店主はもう爺さんだし、いまさら儲けようなんて思ってないだろうから、今回の値上げはやむにやまれぬことだったに違いない。しかも、「近江町名物」なんてこれまでなかった貼り紙まであって、ああ、これが食料危機かと。『クーリエ・ジャポン』誌によると、世界の穀物在庫量は現在、53日分しかないらしい。つまり、世界中のすべての農家が穀物の生産をストップした場合、たった53日間で食べ尽くしてしまうということだ。すでに中南米やアフリカでは暴動も起きている。そしていまのところ、この食料危機を脱するすべは見当たらない。

思考の整理学 (ちくま文庫) (ちくま文庫)

外山 滋比古『思考の整理学』(ちくま学芸文庫、86年)を読了。20年以上もまえの本だが、最近になって本やブログで紹介され、再ブレイク中の名著。僕は大学生のときに買ったんだけど、ずっと読まずに積んであった。いま読まなきゃいつ読むのかと。最近、アイディアの生み出し方とか、効率的な仕事の仕方とか、時間の使い方とか、そういう本がたくさん出ているが、それらの本家だと思ってもらえればいい。考えるとはどういうことか、どうすればいいのか――。もちろん20年以上もまえだから、考える環境やツールはいまとは違うんだけど、考えるということが変わるわけではない。最近の自己啓発本はたくさんありすぎてどれを実践すればいいかわからない――という人は、まず最初にこれを読むべきだろう。ただ、ちょっとした無茶も書いてある。たとえば、夜より朝のほうが頭が働くことについて、「朝飯前」という言葉は朝飯前でもできるほど簡単という意味で使われるが、もともとは朝飯前なら簡単にできるという意味だったのではないか、だから仕事は朝飯前にするのがいい。

英雄的に早起きはできないが、朝のうちに、できることなら、朝飯前になるべくたくさんのことをしてしまいたい。それにはどうしたらいいのか。答は簡単である。
朝食を抜けばいい。

ここを読んだときにひっくり返りそうになったんだけど、続きを読めば、朝食をとるなということではなく、時間を遅らせ、ブランチにすることで、「朝飯前」を長くでき、効率的に仕事ができるということが書いてあって、ほっとした。それでも、朝食は絶対にとらなきゃダメだという現代からすると、問題発言にはちがいない。しかも、ブランチのあとに昼寝をすれば、起きたときは「自分だけの朝」となり、それから晩飯まではまた「朝飯前」になる――とか書いてあるし。休日じゃないと実践できないな、これは。

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