コメディは俳優ありき

コメディ映画がおもしろいかどうかは、俳優がおもしろいかどうかにすべてかかっている――といっても過言ではないだろう。チャーリー・チャップリンやバスター・キートンの映画がおもしろいのは、彼らの動きや表情がおもしろいからにほかならない。三谷幸喜の映画がおもしろくないのは、だから俳優がおもしろくないからだ。どんなに脚本がおもしろくても(三谷作品はこれも怪しいのだが)、俳優がおもしろくなければ作品がおもしろくなるわけがない。逆にいえば、どんなに脚本がおもしろくなくても、俳優がおもしろければ作品はおもしろくなる。

おいしい殺し方 A Delicious Way to Kill 通常版 [DVD]

映画『おいしい殺し方 A Delicious Way to Kill』(06年、日本)がおもしろいのは、とにかく俳優たちがおもしろいからだ。もちろん脚本や演出があってのおもしろさなのだが、演技がおもしろくなければそれらが活かされることはない。監督・脚本はケラリーノ・サンドロヴィッチ、出演は奥菜恵、犬山イヌコ、池谷のぶえほか。料理学校の講師が自宅のマンションから投身自殺をするが、その死に疑問をもった3人が事件を探る――というミステリ仕立てのコメディ。とにかく主演の3人の女優がすばらしい。ちょっとしたセリフ、ちょっとしたしぐさがいちいち笑わせる。キャスティングの妙だろう。ケラリーノ・サンドロヴィッチはミュージシャン、劇作家として知ってはいたのだが、作品を見たのはこれがはじめて。映画も他に2、3作あるので、それらも見てみたいと思う。おすすめ。

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