誰もテレビを見なくなる

テレビって本当におもしろくなくなったんだな――と、ゴールデンタイムにテレビを見てみて思った。いくらザッピングしても見る番組が定まらない。フジの「さんま福沢のホンマでっかニュースSP」はだらだらと出演者の寿命を予想しているし、TBSの「日本レコード大賞」は過去のVTRが構成もされずに挿入されているし、朝日の「ナニコレ珍百景」は全国のとくに驚きもしないスポットをタレントが紹介するだけだし、日テレの「ザ!世界仰天ニュース」はコンテンツの統一感がまったくないし、NHKは紅白の予告だし。民放にかんしていえば、完全に出演者に依存している感じ。コンテンツはクソでも、芸人が大きな声でワイワイやれば視聴率が取れると思っているのだろうか。これは制作費がうんぬんという問題ではなく、ひとえにコンテンツ制作能力の低下が原因だろう。すでに若者はテレビから離れている。このままでは近い将来、誰もテレビを見なくなるだろう。

あと「さんま福沢のホンマでっかニュースSP」では専門家の先生が将来を予想していたが、「専門家」の人選は大いに問題ありだろう。まともな先生とトンデモな先生がごっちゃになっているので、視聴者はどれがネタでどれがベタなのか、判別がつかないのだ。たとえば池田清彦さんが近い将来に国が財政赤字を解消するためにお札をすることでハイパーインフレになり日本人の給料が半分になる――という予想をし、すぐに森本卓郎さんがそれはウソだと否定したけれど、よく知らない視聴者はこの2人のキャラから判断し、池田さんがまともなことを言っていると思うだろう。だけど経済学的には池田さんがトンデモなわけだ。というか、この池田さんはそもそも生物学者だから、経済についてうんぬんするのは畑違いもいいところ。テレビ局がなぜこういう人を出すかというと、ようするに専門家ではないから、おもしろいことを言ってもらえるわけだ。本物の専門家が将来を予想しても、テレビ的にはまったくおもしろくないだろう。で、テレビがおもしろいことをやるのはもちろんいいのだけど、問題なのは、視聴者がそれをベタに受け止めてしまう恐れがあるということだ。これは超能力や心霊、占いなどでも同様。テレビ局はおもしろさを求め、視聴者は誤った認識を持ってしまう。トンデモをおもしろく伝えるのは容易いが、テレビ局は、まともなことをおもしろく伝える努力をするべきだろう。

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