パクリ、パロディ、引用、オマージュ、翻案、本歌取り、盗作

先行作品があって、それを別の作品が何らかの形で取り込んだ場合、パクリなのかパロディなのか、引用なのか盗作なのか、それをどう解釈するかは難しい問題なのだが、まず最初に確認すべきなのは、受け手が先行作品を知っているかどうかだろう。もちろん受け手となりうるすべての人が知っていなければいけないとはいわないが、ほとんど人が知っていなければ、たとえそれがパロディであっても、パクリだと指摘されてもしかたない。つまり作り手がどういうつもりで作ったかは問題ではなく、受け手がどういうものとして受けたかが問題なのだ。

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映画『マンハッタン殺人ミステリー』(93年、アメリカ)に出てくる鏡を使ったシーンはオーソン・ウェルズの『上海から来た女』(47年)からの引用らしいが、僕はこの先行作品を見ていないので、言われなければわからない。だけど『上海~』は名作だし、ウディ・アレンの映画を見るような人であればほとんどこのシーンでニヤリとするのだろう。だけど、ウディ・アレンのこの作品のシーンを、ウディ・アレンて誰?――という受け手が見るような作品に取り込んだとしたら、誰もニヤリとはしないはずだ。先日、ケラリーノ・サンドロヴィッチの『おいしい殺し方 A Delicious Way to Kill』(06年)をおすすめしたが、その時点ではまさか、ウディ・アレンの本作を大々的に引用しているとは思いもしなかった。見ていなかったからだ。で、たまたま本作を見て、あ、引用だったのかと。知らないままだったらよかったんだけど、後からこういう形で知ってしまって、なんだか興ざめしてしまった。

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