世界はなぜ飢えているのだろう

恵まれない子に愛の手を――なんていうけれど、いったい「恵まれない子」は世界に何人くらいいるのだろう。そしてその子たちは何が恵まれていなくて、なぜ恵まれていないのだろう。で、「愛の手」ってなんだろう。

世界の半分が飢えるのはなぜ?―ジグレール教授がわが子に語る飢餓の真実

ジャン ジグレール『世界の半分が飢えるのはなぜ?―ジグレール教授がわが子に語る飢餓の真実』(03年、合同出版)は、飢餓問題研究の第一人者だというジグレール教授が、息子カリムの疑問に答える形で進む、飢餓問題についての入門書。本書のデータによると、1999年の時点で深刻な飢餓状態にあるのは世界で3,000万人、慢性的な栄養不良となると8億2,800万人と、じつに世界人口の約1/6が飢えていることになる。1798年に書かれたマルサスの「人口論」では、世界人口は幾何級数的に25年ごとに倍増するが、食料の増産はそれほど見込めないとした。しかしある試算によると、食料が公平に分配されれば、地球は120億人を養えるという。つまり現在の危機は、食料の偏りにあるわけだ。ではなぜこのように激しく偏りがあるのか。本書は入門書だが、飢餓の構造的な問題にまで踏み込み、多くのことを明らかにする。僕らは「愛の手」を差し伸べるまえに、まずはこの現状を知らなくてはいけない。おすすめ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です