政権交代の後にすべきこと――宮台真司・福山哲郎『民主主義が一度もなかった国・日本』

政権交代から早くも4か月あまりが経とうとしている。圧倒的な支持率で与党となった民主党だが、昨日の世論調査によると、支持率は急落しているという(朝日新聞Web版2009年12月20「日内閣支持48%に急落 首相の指導力に疑問符」)。記事によると「鳩山首相がリーダーシップを発揮しているとは「思わない」人が74%に達し、内閣不支持の人の半数が理由として「実行力の面」を挙げた」。だけど、僕らは政府に何を求め、鳩山首相にどういうリーダーシップを期待しているのだろうか。

民主主義が一度もなかった国・日本 (幻冬舎新書)

宮台真司・福山哲郎『民主主義が一度もなかった国・日本』(09年、幻冬舎新書)のまえがきで、宮台は政治をバスにたとえている。「運転者は乗客たちとの契約に従って運転している。乗客たちが国民にあたり、契約が憲法にあたり、運転者が統治権力にあたる。近代国家というバスの本義は、乗客たちが運転手に、その都度の目的地を告げ、徹底監視し、文句を言うことだ」と。敗戦後の日本はバスの目的地がはっきりしていた(経済的豊かさ)から、乗客は運転手にお任せでよかった。だけどいまは目的地もルートもはっきりしなくなったので、運転手が正しいルートを選んでいるか監視する、場合によっては替える必要がでてきた。で、乗客はついに運転手を自民党から民主党へ替えたわけだ。「そう。我々は運転手を取り替えた。愚かなくせに「とにかく任せろ」という運転手を「乗客の指示に従う」という運転手に。だがそれからが大変だ。運転手も運転経験が乏しいなら、乗客たちも命令して監視する経験が乏しい。運転手のミスや乗客たちの頓珍漢でバスはあちこちにゴッツンコ」――。じつに的を射たたとえだと思う。本書は、任せる政治から引き受ける政治へ――を主張する宮台真司氏と、民主党の外務副大臣、福山哲郎氏との対談。枕は「民主主義」だが、内容は政治思想についてではなく、政権交代後の民主党の進むべき道、つまりバスの目的地とルートについての対話といってもいいだろう。政権は変わったのに、僕らはまだ変われていないのではないか。そんな思いを強くした。おすすめ。

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