母であるとはこれほどまでにしんどいことのか/映画『母なる証明』

自分ではそれほど親に迷惑をかける子供ではなかったと思っているのだけど、それでも親が学校に呼び出されたことは何度かあった。小学校のとき、絵に描いたような「悪友」が近所にいて、一緒にいるだけで問題を起こしてしまっていたのだ。ゲームセンターで補導されたり、河原で花火をして遊んでいるところを通報されたり、先生の車に悪戯したり。そんなときは母親がいつも呼び出され、注意を受けていた。それを見て子供ながらに、母親って大変だなあ――なんて思ったものだ。

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映画『母なる証明』(2009年、韓国)は、母と息子の関係を描いた作品。殺人事件の容疑者として逮捕された息子の無実を証明しようと、母親は自らの手で真犯人を探しだそうとするが――。監督は『殺人の追憶』や『グエムル-漢江の怪物-』で高い評価を得たポン・ジュノ。出演は韓国の国民的女優キム・ヘジャ、兵役を終えて5年ぶりの映画出演となるウォンビンなど。『殺人の追憶』と『グエムル』はかつてこの日記でも絶賛したが、この作品はそれらに比肩する傑作といえる。「母である」ということはどういうことなのか。ストーリーが進むにつれ、この問いは重さを増していく。また「血はそこで流れていない」というメッセージを読み取ることもできる。これは作品を通じて何度も形を変えて繰り返されるのだが、メインテーマの伏線になっていることはもちろんだが、過去の作品で描いてきた政治的なメッセージの変奏として解釈することもできるだろう。そしてラストシーンの衝撃。打ち震えた。

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