聖火リレーの走者を走らせているのは誰か

北京五輪の聖火リレーはこれだけ大混乱なのに、どうして中止にならないかというと、平和の祭典であることを守ろうとしているからではけっしてなく、みんながそれぞれになんらかの目的で利用しているからだろう。中国共産党ははじめダライ・ラマをチベット暴動の首謀者として仕立てようと、被害者を装っていたが、ムリだと悟り、つぎに国内のナショナリズム発揚の機会として利用しているし、先進諸国は、中国は経済的なパートナーとして重要だが、人権侵害、侵略行為には反対だという政治的プロテストを内外に示す機会として利用している。日本は事なかれ主義で、嵐が過ぎ去るのをじっと待っている感じか。これによって迷惑を被っているのは、政治的な事情によりいがみ合わなくちゃいけない諸国民であり、そして選手だ。オリンピックなんて、もうやめたらどうか。世界選手権でいいじゃないか。

前略 仲正先生、ご相談があります

前略 仲正先生、ご相談があります』(イプシロン出版企画、06年)を読了。政治からワイドショーまで、様々な時事ネタについて、ひとりの悩めるライターが仲正に「相談」する――という企画物。仲正が語る時事解説については、なるほどなあと感心しきりで、意外にもドラマやお笑いにも詳しいということがわかっておもしろかったのだが、本としてはまったくヒドいものだった。なにがヒドいって、インタビュアの合いの手。本人は茶目っ気たっぷりでおもしろおかしくしているつもりなんだろうが、微塵も笑えないのだ。全然対話にもなってなくてちぐはぐだし、ひょっとしたら編集の段階でこうなったのかもしれないが、いずれにせよ、蛇足以外の何物でもない。だいたい、相談形式にもかかわらず、その相談がまったくくだらないのだ。それなら最初から、「~についてどう思われますか?」でいいじゃないか。そもそも、各トピックの頭には手紙がついていて、書簡にて相談していることになっているのに、本文に入ったら普通にインタビューになるのはどういうわけだ。こういういい加減な本の作りは、同じ編集者としてまったく許し難い。これでは仲正が気の毒だ。

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