西田幾多郎はこう考えた

日本で「哲学者」と呼べる人はきわめて少ない。多くは海外の哲学者を紹介したり、批判したりする「哲学学者」で、独自の哲学体系を打ち立てた人は数えるほどもいないのが日本の実情だ。西田幾多郎は、そんな数少ない哲学者のひとり。主著『善の研究』(1911年)は日本人の手による最初の哲学者といわれ、多くの人に読まれてきた。だけどここで展開される「純粋経験」や、のちの「絶対矛盾的自己同一」などの術語は難解で、広く理解されているとはいいがたい。

西田幾多郎―生きることと哲学 (岩波新書)

藤田正勝『西田幾多郎―生きることと哲学』(07年、岩波新書)は、西田幾多郎の生涯から、西田哲学を理解するためのキーワード――純粋経験、芸術、場所などを解説しながら、その全体像を描き出していく。これまで入門書のようなものはいくつか読んだが、本書がもっともわかりやすかった。人間・西田幾多郎を知るためには最良のテキストだろう。おすすめ。

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