代わりに産んでください

向井亜紀と高田延彦がアメリカ人女性に代理母を依頼して生まれた双子の子供を、2人の子供として認めてもらえるように東京都品川区に対しては裁判を起こしている件について、東京高裁は受理せよと決定したが、法務省が待ったをかけ、最高裁で争われることになった。テレビをほとんど見ないので、このニュースがどのように伝えられているのか分からないが、たぶん向井・高田夫妻に対して同情的なのだろう。だけど、これはたしかに情に訴えてくるトピックなわけだけど、冷静に考えるべきだろう。不妊症で悩む夫婦がいて、ボランティア精神で代理母を引き受けてくれる女性がいる。ならばそれをマッチングさせない手はない、と短絡的に考えてしまいがちだが、これがオーケーになっちゃうと、そのうち、お金を出して代わりに出産をしてもらう、ということになりはしないか。で、そうなると代理母というものが市場経済に組み込まれ、金持ちは子供を産ませられるが、貧乏人は産ませられない、ということになる。不妊症の女性だけではなく、妊娠したくなりハリウッド女優など、産めるけど産みたくないという人もいるだろう。そうなると、貧乏だから代理母を引き受ける、という人が出てくる。そうなっちゃうともう臓器売買と一緒だ。いずれ母胎を必要としない出産ができるようになれば話は別だが、感情論でこの問題を考えるべきではない。
佐々木倫子、綾辻行人『月館の殺人(上下)』(05~06年、小学館)を読了。『おたんこナース』や『動物のお医者さん』で人気を博している漫画家の佐々木倫子(読んだことないけど)と、『十角館の殺人』でミステリ界を席巻した作家の綾辻行人がタッグを組んだ話題作で、少しまえまでは品切れ状態だった。原作を漫画化したものではなく、この作品がオリジナルだということで、佐々木ファンも綾辻ファンも買っているのだろう。ようやく手に入れて読んだのだが、まったく期待はずれだった。まず佐々木倫子のギャグについていけない。コミカルなミステリというのも世の中にはたくさんあるわけだが、この話でこれはありえない。そして綾辻のトリックがまったくダメ。今日び2時間サスペンスでもこれはないんじゃないか。上巻の終わりでサプライズがあり、下巻のはじめで設定が明らかにされるんだけど、唯一ここだけがおもしろかった。他でもない綾辻なんだから、これがラストにくるような大掛かりな話を書いてほしかった。

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