やっぱり奇妙

デヴィッド・リンドリー『量子力学の奇妙なところが思ったほど奇妙でないわけ』(松浦俊輔訳、青土社、1997年)を読了。いわゆる「観測問題」について書かれた本だが、SFファンが喜ぶような「多世界解釈」や「波束の収縮」についておもしろくおかしく書かれたものではなく、「脱コヒーレンス」という科学的な立場から、じつに冷静に、一般の読者にも分かるように丁寧に書かれたもので、とても好感がもてた。大学時代に量子力学関係の本を読みあさった時期があって、これはその読み残しで本棚に積んであったものなんだけど、このテーマについて書かれた本にはホントいたずらに読者を惑わすようなものが多いのだ。といってもやっぱり奇妙は奇妙で、悶々としたまま本を閉じた。こんな不確定で曖昧な量子の世界が現代科学の基礎になっていると思うと、じつに尻の据わりが悪い。

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