子猫殺し

坂東眞砂子が日経新聞に書いた「子猫殺し」というエッセイが話題になっている。板東女史はタヒチ在住のホラー小説作家なんだが、いわく、猫を3匹飼っているのだが、子猫が生まれたら崖の下に放り投げて殺している、避妊手術をするのも生まれたばかりの子猫を殺すのも同じだから、親猫にとって子どもを出産するという「生」の経験を奪う避妊手術ではなく、自然状態に近い子猫殺しを選択している、文句あるか?と。これに抗議が殺到しているわけだ。まあ、言わんとすることは分からないでもないが、やっぱりこれはマズいでしょ。まあ、ペットを捨てることで自分の身勝手を隠蔽しようとする飼い主よりは主体的に責任を引き受けているといえなくもないが、だからいって責任を引き受ければ殺してもよいということにはならない。避妊するのと生まれてから殺すのとは全然同じじゃないし、もしも倫理的や道義的、論理的に同じだとしても、普通は感情的に避妊を選択するのではないだろうか。板東女史の作品は3冊くらいしか読んだことがないんだけど、あまり死生観などで気になったことはなかった。でもこの文章を読むと、やっぱりなんかおかしいと思うし、作家のくせにロジックが破綻しまくってる。これでは抗議を受けてもしかたない。

DVDで映画『用心棒』(61年作品)を観る。監督は黒澤明、主演はもちろん三船俊郎。最も好きな映画は『七人の侍』と公言しているくせに黒澤作品はあまり観てないので、暇を見つけて観ようかと。いやーしかし、なんでこんなにおもしろいんだろう。ストーリィ自体はたいしたことないんだけど、プロットも映像も音楽も演技も、映画を作るすべての要素が素晴らしい。特に映像は1コマ1コマが芸術的な美しさ。日本映画にもこんな時代があったのだ。強く印象に残ったのは加東大介の馬鹿キャラ。本当に素晴らしい。

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